続:first love~世界で一番素敵な初恋~
『だったら唯那は唯那でやりたいことを見つけるしかないんじゃない?』
やりたいこと?
そんなことは今まで一度も考えたことがなかった。
『さすがに西園寺さんの世界トップ企業のCEOになることは適わないと思うよ。
でも、大きさは関係ないじゃない。
唯那なりに考えてやりたいことを探して必死に取り組んだら少しでも西園寺さんを支えてあげる材料になるんじゃない?』
「裕美………」
『唯那は家でただ待ってることが出来ない人なんだよ。
だったら唯那も動かないと!』
「でも高校生活あと1年だよ?
やりたいことなんて見つかるのかなぁ。」
鵬龍学園の生徒は基本的に付属の大学に進学するから学校で進路のことはあまり言われない。
だから進路のことを深く考えたことがなかった。
『あのね、見つかるのかな…じゃなくて、見つけるの!
西園寺さんを支えられるような奥さんになりたいんでしょ?
だったら、唯那もやりたいことを見つけてそれを成し遂げたらいいんじゃない?』
多分、これが私が知りたかった答え。
西園寺を支えられるようになるには、自分もやりたいことを見つけるしかない。
「うん。……裕美ありがとうね。」