続:first love~世界で一番素敵な初恋~
「唯那!朝ご飯出来たわよー!!
準備出来たなら早く降りていらっしゃい。」
一階から聞こえてくるのは西園寺家に行く前と変わらない懐かしいお母さんの声だった。
「はーい!!!」
大きな声で返事をすると、鞄を持ち一階へと降りる。
茨城に戻ってからは、昔みたいにお母さんと2人で暮らしている。
「ほら、早く食べちゃいなさい。」
「うん。では、いただきます。」
昔と変わらない風景。
でも、その中でも変わったこともあった。
一つは毎朝登校する前にお父さんの仏壇の前で”いってきます”を言うようになったこと。
そして、もう一つは私の名字。
記憶を無くしてから今までずっと母の姓である”島崎”を名乗っていた私は父の姓である”佐倉”を名乗るようになった。