続:first love~世界で一番素敵な初恋~
「えーと、皆さんお久しぶりです。
私は今までずっと母の姓である”島崎”を名乗っていましたがこれからは亡くなった父の姓である”佐倉”を名乗ります。
ということで、改めまして佐倉唯那です。よろしくお願いします。」
自己紹介をすると、クラス全員が大歓声を上げ、拍手で迎えられた。
「唯那、おかえりー!!!」
席が前である親友の裕美も私の転校を喜んでくれた。
「テンションが高いとこ悪いが、実はもう1人アメリカから転校生が居るんだ。」
その一言でクラスが一気に静かになったが、さっき教室に行った時に転校生と呼べる生徒なんて1人も居なかった。
「どこに居るんですかー?」
クラスの子がざわつくけど、誰かが教室の中に入ってくる気配はない。
「それが、飛行機が遅れてるらしくて到着までもう少し掛かるらしい。」
そう言えば、私の隣の席が空いてる…………
これ、もう一人の転校生の席だったんだ。
しかもアメリカって、西園寺が居る国なんだよね。
………って、アメリカだけで反応してしまう私って重症かもしれない。
まだあと5年もあるのに、最初からこんなんじゃ駄目だよね………