続:first love~世界で一番素敵な初恋~
「どうせ唯那のことだから、嘘を書く気になんてなれなかったんだろ?」
図星だ……
「唯那らしいな。」
やりたいことを見つけたい。
方向性もなく、ただ漠然に思っていた私は、いざやりたいことを決めなければならないと思った時に分からなくなった。
先生は真剣に考えなくていいって言ったけど、適当に書くなんて私には出来なかった。
「唯那は西園寺さんにプロポーズされて結婚してアメリカに行こうって言われたんだろ?」
森田先生は学校の中で私の事情を知る数少ない人物でどうして私が転校することになったのかの理由も知っていた。
「普通に考えて俺が唯那の立場だったら絶対にそっちを取る。
他の奴らもほとんどがそっちを選ぶと思う。
なのに、唯那はそれをしなかった。
唯那のことだから彼に守られるだけの人生は嫌だと思ったんだろう?」