性悪な彼のオモチャ



前の席にいる二峰 郁【ニホウ イク】ちゃん。優しさにかけて郁ちゃんの右に出る子はいない



それぐらい、いい子なんですっ。



ここは郁ちゃんに聞いてもらおうっっ。



.

『郁ちゃんっ彼方君がねっ…あたしにだけひどいの』



『そうなのっ?とっても仲良さそうに見えるけどなぁ…それに神宮寺君優しくないかな?』




そう首を少し傾げながら、優しい顔をしている。



でも、みんな彼方君の性悪さを知らないんだよ。あの王子スマイルの裏にあの顔があるんだから…



『本当にひどいんだよっ…』



『未恋ちゃん、そんなに悩んでるの?』



かなりの悩みよ。今のあたしの最大の悩み



『もう、嫌なのっ。彼方君』



『そっか…じゃあ、あたしが何とかしてみるね』



優しい微笑み。

やっぱりここは郁ちゃんだよっ。



.
< 103 / 144 >

この作品をシェア

pagetop