性悪な彼のオモチャ
そんなことをずっと言っているあの性悪な王子は、ずっと笑って言っているせいかあたしは周りの女子にじっと見つめられている。
きっとみんな勘違いしてる。羨ましそうな瞳があたしに突き刺さってるもん。
「お前、注目の的だな。俺のおかげで」
『うっ、うるさい!』
「南波、お前がうるさいぞ。」
『えっ…』
担任はじっと、あたしを見詰めると眉間にしわをよせてすごく怖い顔をしている
「ったく、隣に転校生が来たからって騒ぐな。仲良いみたいだからお前が転校生の案内するか?」
『いや…そんな、仲良くなんて無くて。その、この人が』
「ごめんね、俺全然ここわかんないから…よろしくね?」
ズキューン。悩殺スマイルをあたしに向けるその笑顔はとてもかっこよくて
向けられているあたしは真っ赤になってしまった。
「っていうことで、南波よろしくな」
先生は手を上げて、何も無かったような顔してあたしに面倒なことを頼んできた。
もう、この性悪な転校生よくわかんない。