性悪な彼のオモチャ



あたしは彼方君に手をひっぱられながらそのまま校門へと進んだ。



『すごい人…』



校門の前には、1年生から3年生までの女子が何故か溜まっていた。




彼方君は気にせず前に進みあたしを引き連れていた。


女子が集まっていた理由は大河君だったらしくざっと20人の人達に囲まれていた。



女の子の声が大分大きい。大河君はかなり困り果てている。



彼方君は一瞬大河君に目をやってあたしににやっと微笑んだ。



「あいつに、諦めろって言ってくるだけでいいよ。」


なんて酷い我が儘なんだろう?



もし、あたしが大河君を好きならこんなこと言うのは辛いとか思わないんだろうか?




.
< 113 / 144 >

この作品をシェア

pagetop