性悪な彼のオモチャ
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キーンコーンカーンコーン
チャイムが響き渡り、あたしはまた紗耶の元に向おうとしたその時手を掴まれた。
『え、誰…って何?』
「あの、俺のこと案内してくれるんだよね?」
にっこり笑顔をあたしに向ける、もしやさっきのことは夢だったのかも?そう思ってしまうほどその笑顔は綺麗でかっこよかった。
『今するの?』
「うん、調度昼休みだしダメかな―…?」
しょんぼり寂しそうな顔した性悪な王子様ってわかってるのに、あたしの胸は最高潮にドキドキとなっている
こんな顔されて、ダメだなんて言えないよ。
『いいよ…』
「ありがとう。南波さんだっけ?」
『うん』
あたしはすっかりその笑顔の虜になってしまっている、さっきの出来事は嘘のように忘れられていたんだ。