性悪な彼のオモチャ
『もうへ、平気です、すいません』
『あら、そう?』
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴り渡る。
「じゃ、戻ろっか」
『あ…うん。』
そう言った王子の瞳は、優しく細く垂れ下がった
この人…性格の変わりようが、激しくないですか?
そう思うのは、あたしだけ?
あたしは呆然としながら、保健室を出ると王子は髪をくしゃっと掴み「あいつ、邪魔だったな」そう言った。
あたしは白衣の天使だと思いました。とは中々言えなかった。
あたしと王子はそのまま教室に入ると、女の子はいっせいに王子の元にやってきた
みんな、本性を知らないからこんなに近寄れるんだよ。こ、このエロで変態で性悪で腹黒の顔だけ王子になんて、もうあたしは絶対に騙されないんだから。