性悪な彼のオモチャ





『何するのよー!』




頬をそっと触りながら、目に力を込めて性悪王子を見た。




王子様ごめんなさい、あたしはこんな今日会ったばっかりのやつに…キスされました



頬にだけど…あたしには、ショックなことなんだから。




「何って、頭悪いなまったく。それても口にしてほしかった?」


『しなくていいわよ、あたしのファーストキスの相手は王子様なんだからー』




「じゃあ、一生キスできないなー?王子様なんて絶対いないから」




な、なんていうことを…王子様は絶対いるもん



絶対いるんだから、今に見てなさいっ




『王子様はいるもん、あたしは王子様と恋に落ちるの』


「幸せな奴だな、非現実女」



この人は、どこまであたしの夢を侮辱すればいいんだろう?



< 31 / 144 >

この作品をシェア

pagetop