性悪な彼のオモチャ
「あ、こんにちわ。彼方の父です。色々迷惑かけるけど、これからよろしくね?」
『はいっ…役立たずですがよろしくお願いしますっ』
悩殺スマイルでドキっとなる正直な心臓。
ううっ…本当にお父さんなんだ。こんなに若いなんて…あたしのお父さんと大違い。
「父さん、未恋ちゃんいい子だったよ、俺に早く言ってよー…
こんなかわいい子着てくれるなんて知らなかった」
『…えっ?』
彼方に目を向ける。スマイルの中目だけはあたしを睨んでいる。
口元しか、笑っていないからなんだか、怖い。
あいつ、何であたしだけにあの態度?ま、まさかあたしが嫌いでそれでいじめるって言う魂胆?