性悪な彼のオモチャ





『いや…そんなことないです。』



そして、お父様の目を見計らって耳元に近づいてきた。




「当たり前だし」



そう言って、あたしは性悪の顔をじっと見つめるとにっこり微笑むキラースマイルあたしは何回この笑顔にやられれば気が済むんだろうか?




この…


この性悪男に何度騙されれば、いいっていうんですか。




『この性悪ー!』



「えっ…未恋ちゃん?」



あたしが叫んでしまったせいで、お父様があたしを心配そうに見てきた。




『すいません、何でもないです。』


「あはは、元気でいいね?」



横にいた彼方といえば声をださなくても何を言ってるか解る。



だって口の形が"馬鹿"って言ってるもん。


むかつくーーー!


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