性悪な彼のオモチャ
それからも、あいつはずっと女子たちに囲まれ授業中は熱心に勉強というなんとも完璧な王子姿を保っていた。
あたしはというと授業中だというのに、横目でちらっとあいつの姿を見ていた。
あいつと目が合う。
薄茶色の瞳があたしをずっと見つめてなんとも言えない感覚。
でも、あたしだけ軽蔑されてることを思い出しプイっと目を逸らした。
でも、あいつはそれを気に入らなかったらしく不機嫌な顔になったのをあたしは見過ごさなかった。
「未恋ちゃん大丈夫。保健室行く?」
『え?!』
なんてあいつは大声で言い出した。あたし具合なんて全然悪くない、ただ―…ただあたしはあたしだけこんな扱いなんて嫌だったから目を逸らしただけでちょっといらっとしてただけだもん