性悪な彼のオモチャ
「未恋のどこも具合悪そうに見えないけどな」
「はっ?!」
あたしの逆隣に座る、顔が小さめでサッカー少年の辻 洋介【ツジ ヨウスケ】通称、辻ちゃんは王子が嘘を言ったのを気づいたのかあたしの救世主。
でも…火花が散って見えるのは、あたしだけなんだろうか?
「南波、大丈夫なのか?!」
先生が、あたしたち3人の元にやってくる。なんか、あたしすごい心配されてない?
『いや…そのっ』
「なんか、先からお腹押さえてたんで大丈夫かなって思って」
「確かに少し顔色が悪いかもしれない、よし神宮寺保健室連れてってやれ」
「はい」
先生、あたしの顔色が悪かったのは多分―…
この2人の雰囲気が少し怖かったからだと思います。