性悪な彼のオモチャ





『そんなの、つけなくていいから。』



「誰に言ってんの?オモチャちゃん。俺の言うことは絶対だよね?」



何とも綺麗な笑顔をしているのに、言っていることはかなりの性悪。




あたしは、どうすれば辞めてもらえるの?



ま、まさかずっとこのままじゃないよね?



あたしもう、家に帰りたい。あんなに傲慢で性悪な男と一緒にいたくない。







『も、もうあんたなんか…性悪なんか、大っ嫌い』


「は?!」




あたしの精一杯の高い声で、言うと彼方はびっくりして目を見開いた顔を一瞬見た後、リビングから出て鞄を投げ捨てると、革靴を履いて家を出て行った。




< 67 / 144 >

この作品をシェア

pagetop