性悪な彼のオモチャ
『そんなの、つけなくていいから。』
「誰に言ってんの?オモチャちゃん。俺の言うことは絶対だよね?」
何とも綺麗な笑顔をしているのに、言っていることはかなりの性悪。
あたしは、どうすれば辞めてもらえるの?
ま、まさかずっとこのままじゃないよね?
あたしもう、家に帰りたい。あんなに傲慢で性悪な男と一緒にいたくない。
『も、もうあんたなんか…性悪なんか、大っ嫌い』
「は?!」
あたしの精一杯の高い声で、言うと彼方はびっくりして目を見開いた顔を一瞬見た後、リビングから出て鞄を投げ捨てると、革靴を履いて家を出て行った。