性悪な彼のオモチャ






そして、完璧王子は口を開いて言った。




「何、そんな見つめてきて不細工のくせにさっブスに見つめられても困るんだよね」




と必殺技とも言うべき、王子スマイルでこう言った。



えーっと―…
すいません。この頃耳が遠くなったので聞こえが悪いんです。って言うのは嘘で、今この人なんて言った?



ブッ…ブサイクって言ったよね?
それとも、あたしの勘違いだったりする。



あ、聞き間違えかもしれない



そんな、淡い期待を持ってあたしは勇気を振り絞って聞いてみた




『あの、よく聞こえなかったので…もう、1回お願いします』




すると彼は、綺麗な笑い方をして


「不細工は、あんまりこっち見んなって言ったんだよ」



そう言ったんだ。



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