性悪な彼のオモチャ





今更、もう帰りたくないし…
もうどうしよう。




コツン...コツン....




ううっ


足音が近づいてきたのを知ったあたしはベンチから立ち上がれずに、足が竦(すく)んでしまっていた。






怖い…





「にゃんっ…」


『ひゃん。猫ちゃーん』




猫ちゃんがあたしの足元に戻ってきた。
あたしは嬉しくって猫ちゃんを抱き上げようとしゃがもうとした時、ガバっと後ろから優しく誰かに抱きしめられた。





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