性悪な彼のオモチャ
あたしのために、来てくれたの?
心配なんてしてくれたの?
あたしが自分勝手に出てっただけなのに?
いつもと違う彼方君…
本当は優しいの?
「帰るぞ?あ。お礼もらってない…」
『お礼?!』
口角を、上げてにやっと笑う王子の澄み切った瞳をじっと見つめた。
そっと額に、キスをして手をぎゅっと握られる。
たぶん、さっきまでのあたしならすごく嫌がるところだったんだけど…
さっきの優しい一面を見てしまって、性悪っていうことがだんだん薄れていった。
なぜか、顔が赤くなっちゃう。