性悪な彼のオモチャ



「お前、大丈夫かっ?誰もお前が可愛いなんて、言ってないんだよ。この妄想女」


薄茶色の瞳があたしを現実へと引き戻す。




チーン―…



どうやらあたしは、声に出しながら妄想ワールドに入ってしまったらしい。



『いや…すいませんっ』



「俺がお前に優しい言葉言うわけないだろ?」



それは、わかってる。


性悪で傲慢で


裏性悪偽り王子ってわかってるんだけど



期待しちゃってる自分がいるんだから、仕方ないでしょ



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