彼方の蒼

   ◇   ◇   ◇

 試験はよくできた。
 手当たり次第に感触を尋ねてまわると、いつもよりできたという声ばかりで逆に焦った。
「惣山くん、他校に知り合いが大勢いるんだね」
 感心したふうに内山に言われた。

「なんでそう思うの」
「だってあちこちで話しかけてたし。違うの?」
「試験の出来を聞いてただけだよ」
「え」

 内山の後ろでマッキイが声を立てて笑っている。
「知らない人にそんなこと聞く?」

 このことはあとで多方面から突っ込まれることとなる。
 合格発表は約二週間後、その前に卒業式だ。

< 113 / 148 >

この作品をシェア

pagetop