すきなひと
披露宴は両家の仕事関係者が沢山来ていた。

私は凌さんの隣で引きつった笑顔で挨拶を繰り返した。


「凌さん、ちょっと化粧室行って来ます」


挨拶が途切れた隙に声をかけた。

「ああ」

それだけ。お姉ちゃんに向けられていた優しい笑顔なんてなく、冷たい眼差しだった。
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