すきなひと
日々、この家で生活していてお姉ちゃんの存在を感じないことは無い。
キッチンも、食器棚も本棚すらお姉ちゃんに合わせられた物だった。
お姉ちゃんは女性にしては背が高い方で、私は小柄だった。
だから料理も作業しづらいし、食器や本も台が無ければ届かないのだ。
この家自体お姉ちゃんへの愛情で溢れていた。
自分を愛してくれない夫の為に毎日ご飯を作る。
食べてもらえるのはごくわずかな日だけなのだけど。