第00夜
「良いから!」
明葉は叫ぶと、美由を連れて教室に飛び込んだ。
急いで扉を閉め、鍵をかける。
そして姿勢を低くし、美由と共に机の影に身を潜めた。
互いに体は震え、息は乱れている。
間があって、教室前の廊下を化物が駆け抜けてゆく。
静まり返る教室の闇の中、明葉と美由の息遣いが響く。
「………」
「………」
どうにか息が整ってから、明葉は混乱する頭で美由に聞いた。
「アレ、一体…」
「わからない…。でも、いつも夢で襲ってくるの」
美由は力無く答える。
「いつも…?」
「そう、最近ずっと。…今日、学校で日野さんに話したっけ」
「そんな…! どうして…」
「………。心配無いよ、只の…夢だから」
美由は、遠くを見るような表情で言った。
その時、不意に近くで獣の嘶きが響いた。
教室の扉が呆気なく打ち破られる。
「………!」
そして、化物が入って来る。
その視界が、驚きの表情で強張る少女らの姿を映す。
「…美由、逃げて!」
明葉は立ち上がり、叫んだ。
明葉は叫ぶと、美由を連れて教室に飛び込んだ。
急いで扉を閉め、鍵をかける。
そして姿勢を低くし、美由と共に机の影に身を潜めた。
互いに体は震え、息は乱れている。
間があって、教室前の廊下を化物が駆け抜けてゆく。
静まり返る教室の闇の中、明葉と美由の息遣いが響く。
「………」
「………」
どうにか息が整ってから、明葉は混乱する頭で美由に聞いた。
「アレ、一体…」
「わからない…。でも、いつも夢で襲ってくるの」
美由は力無く答える。
「いつも…?」
「そう、最近ずっと。…今日、学校で日野さんに話したっけ」
「そんな…! どうして…」
「………。心配無いよ、只の…夢だから」
美由は、遠くを見るような表情で言った。
その時、不意に近くで獣の嘶きが響いた。
教室の扉が呆気なく打ち破られる。
「………!」
そして、化物が入って来る。
その視界が、驚きの表情で強張る少女らの姿を映す。
「…美由、逃げて!」
明葉は立ち上がり、叫んだ。