第00夜
走り回るくらいの広さはあった。
が、今明葉の足は立つのが限界であった。
明葉は剣を、震う両手で構えた。
化物が、唸り声を上げ襲い来る。
「………!」
明葉は容易く弾き飛ばされた。
衝撃で手放した剣が床の上を舞う。
痛む体を立ち上がらせようとして、明葉の足を激痛が襲う。
「ッ…!」
明葉の表情が歪む。が、必死で立ち上がり、剣の元へ歩む‐。
床の剣に手を伸ばす。
明葉が剣の柄を握る瞬間、化物の鋭い蹄が背中を斬り裂いた。
…鮮血が舞う。
明葉は、床に深く倒れ込んだ。
「やっぱり無理か」
少年が言う。只の少女が、初めて使う剣で獣に敵うはずが無かった。
「………う…ッ…」
明葉が呻く。背中が、熱い。
剣を握る。又、剣を支えにして、明葉が立ち上がる。
「…眠って、良いんだぜ?」
「…眠れない…私、美由を助けるって…決めたから…」
少年の言葉に、明葉が返す。
「御立派だ」
少年が、明葉をフッと笑った。
化物の嘶きが空気を震わす。
次で、明葉に止めを刺そうというのであろう。
明葉は残っている力で剣を構えた。
明葉ひとりの夢ではなかったから。
明葉は、逃げ出さなかった‐。
が、今明葉の足は立つのが限界であった。
明葉は剣を、震う両手で構えた。
化物が、唸り声を上げ襲い来る。
「………!」
明葉は容易く弾き飛ばされた。
衝撃で手放した剣が床の上を舞う。
痛む体を立ち上がらせようとして、明葉の足を激痛が襲う。
「ッ…!」
明葉の表情が歪む。が、必死で立ち上がり、剣の元へ歩む‐。
床の剣に手を伸ばす。
明葉が剣の柄を握る瞬間、化物の鋭い蹄が背中を斬り裂いた。
…鮮血が舞う。
明葉は、床に深く倒れ込んだ。
「やっぱり無理か」
少年が言う。只の少女が、初めて使う剣で獣に敵うはずが無かった。
「………う…ッ…」
明葉が呻く。背中が、熱い。
剣を握る。又、剣を支えにして、明葉が立ち上がる。
「…眠って、良いんだぜ?」
「…眠れない…私、美由を助けるって…決めたから…」
少年の言葉に、明葉が返す。
「御立派だ」
少年が、明葉をフッと笑った。
化物の嘶きが空気を震わす。
次で、明葉に止めを刺そうというのであろう。
明葉は残っている力で剣を構えた。
明葉ひとりの夢ではなかったから。
明葉は、逃げ出さなかった‐。