私のちょっとだけ好きな9文字の人
相生真希の存在
梅雨。
転校して二か月が経った。
さすがにもう学校には慣れた。
この学校は、
キーンコーンカーンコーンってチャイムじゃなく、
なぜかベートーベンの「エリーゼのために」が流れる。
それにも慣れた。
そして、学校に着くと高瀬が
決まってぼくの席に座って、待っているという状況にも慣れた。
「本日は晴天なり~」
雨だ。
「どう?この学校にも慣れたん?」
「うん、まあまあ慣れた」
「気になる人とかおった?」
「気に障るやつならおるよ」
「えー?そんなん言って、ほんまはおるんだろ?」
本当に気に障るやつ。高瀬伸二。