私のちょっとだけ好きな9文字の人




結局、30分ほどして
三人は帰ってきた。




高柳は帰ってくるなり机に伏せたままだった。




俺のために怒ってくれて
俺のために叱られてくれたんだろう。




だが、お礼を言うのはなんか違う気がする。
ここは、謝ることが一番だろう。




ガイヤの練習の時にでも謝っておこう。




そう思っていたら、ふと、高柳が席を立った。




「翔子ちゃん!どこ行くんですか!?」




高柳は雪石先生を無視して、教室を飛び出してしまった。




クラスは再び騒然となった。




俺は直感的に思った。
これは、高柳を追いかけなくてはいけないと。




そう思った次の瞬間には俺も
教室を飛び出していた。




雪石先生の「こら!待ちなさい!」
って声とクラスのざわついた声が
背中で聞こえた。




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