私のちょっとだけ好きな9文字の人
当分の間、
俺と勇気の部屋は
俺と有希お姉ちゃんの二人で使うことになった。
寝る時も、二人。
「京ちゃんは、好きな子とかもうおるん?」
布団から顔を出して有希お姉ちゃんが聞いてくる。
「え?い、いや、おらんけど」
「んー、その顔はおるなー」
「やけん、おらんってば」
「隠してもお姉ちゃんにはわかるんよーねえ、誰なん?同じクラスの子?」
有希お姉ちゃんにはかなわないな。
「一応ね」
「わーすごい!なんて名前?可愛い?」
俺は話すことにした。
何となく、話したかったのかもしれない。
「相生真希ってやつよ」
「相生・・・さん?」
相生の名前を聞くなり、有希お姉ちゃんは何かを考えているようだった。