私のちょっとだけ好きな9文字の人
ホイッスルの音が聞こえてきたときには、
俺の蹴ったボールは、相手のゴールへと
入った後だった。
「よ、よっしゃ!!よくやった!」
住岡や大島、山上さん、萬代さん、そして高柳までも
俺に駆け寄ってくる。
俺の初ゴール。
この上なく嬉しい。
しかし、俺の身体は気持ちとは裏腹に、
相手のゴールに入ったボールを持って、
センターサークルの真ん中へと走っていた。
そうだ。
まだ試合は終わっていない。
3-2。
同点でPKに持ち込むとしても
最低あと1点は取らないといけない。
あと1点で同点。
あの砥上小に勝てるかもしれない。