私のちょっとだけ好きな9文字の人
本来、俺たちが言うべきセリフを
由美先生が言った。
「いや、ね。こういうことしとったっていうのが学校に広まると、やっぱり今後の教師に支障が・・・」
由美先生が両手を合わせる。
とんだ教師だ。
それをチャンスと思ったのか、高柳がニヤニヤしている。
「ほな、二つ、お願い聞いてくれんか?」
「聞きます!なんでも聞きますから!」
二人の間に主従関係が生まれた奇跡的な瞬間だった。
「えっとな、一つ目は、うちら子どもらだけでこういうところに来とんやけど、もし、他の先生に見つかったら、厄介やん?そこでや、何か言い訳考えてくれん?」
「なるほどね。言い訳か、うーん」
由美先生が上を見ながら真剣に考えている。
っていうか、その弱みを逆に握れば
主従関係逆転になるんじゃないでしょうか。
「あ、おつかい頼まれた。っていうのは?」
みんながため息をつく。
この人の思考回路は、小3と同レベルだ。