私のちょっとだけ好きな9文字の人
「もーええわ。そんじゃ、二つ目。口止め料として、たこ焼きおごってくれん?」
こいつ悪魔だ。
なんて女、高柳。
先生はしぶしぶ、俺たちにたこ焼きを買ってくれた。
8個入り500円。ごちそう様です。
「ほな、由美ちゃん。学校でな」
悪魔が手を振る。
本当に気の毒だな、あの人。
「いやーたこ焼き上手いな」
大島が口元にソースをつけながら頬張る。
「ほんと、おいひい」
相生は口に入れたまま、ほふほふしながら食べる。
みんな美味しく食べている中、一人、渋い顔のやつがいた。
「あれ?住岡くん、食べんの?」
琴吹が首をかしげる。