私のちょっとだけ好きな9文字の人
「あ!あそこ!」
西田が指を差したわなげの屋台の前で
大島と琴吹がいた。
「行く?」
俺がそう言うと
「そっとしといてやろうで」
と住岡に止められた。
俺たちは少し離れたところから
二人を見ていた。
声は聞こえなかったが、
どうやら、琴吹のために大きなクマのぬいぐるみを
取ろうとしているようだ。
しかし、遠くて、なかなか取れない。
俺たちが見始めてからでも、もう1000円は使っている。