私のちょっとだけ好きな9文字の人
歓喜
結局、先生から許可をもらい、俺は西田と琴吹のお見舞いに行くことになった。
まあ、俺の目的は、琴吹に謝ることなんだけど。
俺の家は、学校から見て南の川の近くにある。
歩いて15分ほどのところ。
それと比べて、西田や琴吹の家は、東側の山の方にある。
歩くと30分以上かかるそうだ。
俺は、いつもと違う道を今日まで話したこともなかった「西田あずさ」という女子と歩いている。
校門を出てから5分。
会話はない。
そんなことより、俺はさっき西田が言った言葉が気になっていた。
「お話してみたかった」
それって俺のことを異性として気になっているということなのだろうか。
それとも、西田はただ純粋に話してみたかっただけなのだろうか。