私のちょっとだけ好きな9文字の人





「昨日、みんなで話し合ったんよ。京介が休み時間も真剣に走順考えとるのみんな知っとったけん。それで、京介に迷惑かけないように朝、練習しようぜってことになったんよ」




そんなことがあったのか。
なんか自分で自分が恥ずかしくなった。




「そんなことばれたら怒られるんやない?」




「ま、そん時は由美ちゃんになんとかしてもらお」




高柳が不敵に笑う。




「そういうこと。やけん、京介くん」




相生が俺の前に来てバトンを差し出し。




「一緒にがんばろ?」




首をかしげて微笑む相生。




そして、俺を囲むみんな。




応えたい。




みんなに応えたい。




俺はバトンを受け取り、




「昼休みも練習な」



と言った。



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