私のちょっとだけ好きな9文字の人
西田がインターホンを鳴らす。
「はーい」という声が中から聞こえてきて、琴吹のお母さんが出てきた。
「ちょっと待っとってね。理子ー!お友達来てくれとるよー」
琴吹がリビングらしき部屋から出てきた。
そして、俺たち二人を見ると、
「ちょ、ちょっと待って。着替えてくる!」
と言い、階段を上がって行った。
琴吹のお母さんは
「よかったら上がってって」
と言ってくれたけど、
西田は礼儀正しく、
「いえ、すぐ済みますから」
と断った。
3分ほど待つと、階段から琴吹が降りてきた。
「ごめん!昨日は本当にごめん!俺、琴吹に許可もとらんで軽い気持ちでヒントを与えて。そんでもし、琴吹が学校に居りづらくなっとんやないかんて思っとんなら、俺、学校に戻ってこれるようにちゃんとするし、予定表とかプリントとか毎日届けるけん、やけん・・・」
気づけば俺は、琴吹が降りてくるなり、すぐに謝っていた。
それには西田も、琴吹も驚いていた。