私のちょっとだけ好きな9文字の人
高瀬がやってきた。
余裕があるように見える。
「ま、正々堂々頑張ろうぜ!」
握手を求めてきたが、無視した。
うざい。純粋に。
それに俺の相手はお前じゃない。
あの女だ。
入念にストレッチをしている、常盤七海。
今はこいつに勝つことだけを考えよう。
何メートル開いても必ず1位でゴールしてやる。
みんなと約束したからな。
なんか緊張というか、テンションがめちゃくちゃ上がってきた。
今すぐにでも走りたい。
でも、トイレにも行きたい。
そうこうしているうちに、入場門へと招集がかかる。
よし、行くぞ。