私のちょっとだけ好きな9文字の人





それからも常盤は毎日来て
俺に勝負を挑んでくる。




最終的には、男子トイレの真ん前にまで来て叫ぶ始末。




「お前、いい加減に勝負したれや」




あの高柳でさえもそう言うが、俺には勝負したくない理由がある。




それは、あの時、勝てたのは相生が背中を押してくれたからだと
信じたかったからだ。




それなのに、再び勝負をして、もし勝ったとしたら
相生が背中を押してくれたことは
何の意味もなくなるんじゃないかとそう思ったからだ。




だからと言って勝負をするとなったら
手加減は一切できない。
それは、何より常盤に失礼だからだ。




困ったものだ。





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