私のちょっとだけ好きな9文字の人





「京介くん、何にするか決めた?」




相生が話しかけてきた。
最近、相生とはこんな感じで前よりも自然に話ができる。
きっと、話す機会も増えたことや、高柳や香恋のように
女子とも普通以上に話せるから、馴れたのだろう。




「いや、全然。相生は?」




「私も。迷うよねー」




「んー、あ、相生は、キャスターとか向いてそうやない?」




「えー?嘘ー。恥ずかしい」




「でも、はきはきしゃべれそうやし、何より・・・」




「何より?」




可愛いから画面映えするって言いたかったけど、
そんなこととてもじゃないけど言えない。




「とにかく、ぴったりやと思うけどねー」




「なるほどねー、よし、頑張ってみる!ありがとう、京介くん」




そう言って相生は名前を書くために団子になっている集団に輪の中へ消えていった。




それより、俺、ほんとどうしよう。




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