私のちょっとだけ好きな9文字の人
「君があずさの彼氏さんかー」
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!」
「私は、あずさの姉の郁美(いくみ)です。いい?あずさ泣かせたら私が許さんけんねー?」
そう言って郁美さんは俺を睨みつけた。
「い、いや、僕らそんなんやないですよー」
「ありゃ?彼氏さんじゃなかったんかーこりゃ失礼しました」
「もうお姉ちゃん、早く出てってやー」
「出てってって言っても、ここ、お姉ちゃんの部屋でもあるし、それに・・・」
「それに?」
「あずさの彼氏の、えっと・・・」
「あ、藤原京介です」
「そ、その京ちゃんとも話してみたいしさー」
「やけん、彼氏じゃないってば!」
西田は、顔を真っ赤にしながら郁美さんをポカポカと叩いている。
普段は真面目な西田にはない、変わった一面を見た俺も
ちょっとドキドキしていた。