私のちょっとだけ好きな9文字の人
なってこった。
まさか、「1、2、3、ダー」をこんなところで
こんな大声で言うなんて。
ただ、初めは恥ずかしかったけど、今ならどんなことも大声で言えそうだ。
「よーし!声はいい調子!じゃ、細かい仕事を教えるね」
俺たちはメモ帳を出して話を聞く。
「まず、主な仕事としては、カンペと呼ばれるものを出して、キャスターに指示を出します。どういうのがあるかというと・・・"笑顔で!"とか"ここは真面目に"とか"巻いて"とか"繋いで"とかその時の状況に合ったものを出します」
なるほど。
「ただ、今日はあんまり使うことないんで、使いません」
使わないんかい!
「その代わりに、キュー出しをしてもらおうと思います。どういうものかというと、話す人のタイミングを指示してあげるというものです。例えば、僕が、こう"キュー"っと手のひらを出したら、キャスターの人が原稿を読んでいく。と言った感じですね」
なるほど。
「ちょっと二人組でキュー出しの練習をしてみようか。一人がキュー出しで、もう一人がこの原稿を読んでもらう。OK?」
「はい」
「声が小さーい!おおけえーーー???」
「はい!!!!」
ほんと、馬鹿になりそうだ。