私のちょっとだけ好きな9文字の人





俺は、相生真希のことが好きだ。




足の速さでは負けても、この気持ちはだれにも負けない自信がある。




小学2年生のあの日、本当はあの日から
俺は相生のことが好きだったのかもしれない。




ガイヤで見せたハートマークを作るような振り付けも。




汗をタオルで拭くしぐさも。




花火に照らされた横顔も。




運動会のリレーで走っている姿も。




俺の背中を押してくれた手も。




笑った顔、怒った顔、悲しそうな顔、嬉しそうな顔。




すべて俺は覚えていて、そして、俺は、その隣で何もできなくて。




だから、今度は、相生と一緒に居て、




相生が嬉しい時は一緒に笑って、




相生が悲しい時は一緒に泣いて、




四季の移り変わりを喜んで、




中学でも一緒で、




一緒に帰ったりして、




一緒に受験勉強とかして、




一緒の高校に行って、




一緒に大学に行って、




結婚して、子どもができて




その子どもも新しい家庭をもって、




そして、おじいちゃん、おばあちゃんになっても、




ずっと一緒に居たい。




だから、




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