私のちょっとだけ好きな9文字の人
「どうだ?」
「お前、それ反則やろー」
「いや、1ターン使うんやったらこれもありなんよー」
いつ決めた、そんなルール。
そんなやりとりをしていると、琴吹が教室に入ってきた。
よかった。元気になったみたいだ。
一安心した俺は、川田のボロボロになった車の部品を次々と落としていった。
狙いは定まりにくかったが、弱い。
大体、これで文字が消せるのだろうか。
川田がボロボロになった部品を一つ一つ探していると、
俺のところに琴吹がやってきた。
「藤原くんおはよー。昨日はありがとうね」
「おはよう。俺の方こそ昨日は急に押しかけてごめんね」
「ううん、全然大丈夫」
ああ、これが女子と普通に会話するということなのか。
ちょっと感動。