私のちょっとだけ好きな9文字の人
「それでね、藤原くん。よかったらこれ書いてー」
そういって渡されたのはプロ帳の紙だった。
「え?これ?」
「うん!じゃ、よろしくね!」
琴吹は俺にプロ帳の紙を渡して、相生のグループに戻って行った。
やった!
やっと来た!
なんか、合格通知もらった時のように嬉しい。
受験したことないけど。
ニヤニヤしている俺に、川田が
「もう一戦やるぞ!」
と言ってきた。
しょうがないなーまったく。
俺はプロ帳の紙を机の中にしまって、再び受けてやる。
その途中で今度は西田がやってきた。
「おはよー藤原くん。昨日はなんかお姉ちゃんがごめんね」
「いやいや、俺の方こそ、送ってもらってごめんね」
「ううん。でね、よかったらこれ書いて欲しいんやけど・・・」
西田に渡されたのはプロ帳の紙だった。
「え?いいけど」
「ありがとう!書けたら渡してね!」
そう言って西田も相生のグループに戻って行った。
こんなことがあっていいのだろうか。
まさか、一気に二人にプロ帳を書いてと頼まれるなんて・・・