私のちょっとだけ好きな9文字の人
慣れてる転校生




2001年 春。




桜はすっかり散り、もうすぐ梅雨に差し掛かる何とも言えない季節。




「京ちゃん、起きて!」




「・・・起きてる」




お母さんに起こされ、布団から出る。




そして、階段を降り、トイレに行って、リビングで朝食を食べる。




いつも通りの朝。




ただ、いつもとは違う風景がそこにあった。




それは、寝室の壁紙の色、階段の角度、トイレの位置、便座の高さ、リビングの位置、テレビの向き・・・




それもそのはず。
この家へはおととい引っ越してきたばかりだからだ。




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