私のちょっとだけ好きな9文字の人
「はあ?好きな人おるかやて?」
やっぱりこいつに聞くのが
一番早いだろう。
少々、信ぴょう性に欠けるが、
こういうことを聞けるのは
こいつしかいない。
「ま、一応、おることはおるけど、そんなん聞いてどうするんや?」
高柳に、あの高柳に好きな人がいる?
嘘だろう?
どうせまた、「お母さん」とか言い出す始末だろう。
「あのな・・・絶対誰にも言うたらあかんで?」
え?
これはひょっとして。
まさか、本当に好きな人がいるのだろうか。
あの、高柳が?
「うん。絶対に言わんよ」
「じゃあ、言うな・・・」
俺は、高柳に耳を貸す。