私のちょっとだけ好きな9文字の人
あと、俺には気になることが一つあった。
「そういえば、"えびばでぃなんちゃら"のところで回るところってさ、あれ二回転するやん?」
ガイヤのサビで腕を曲げて回る振り付けのところがある。
「そうやねー」
「相生ってさ、いっつも一回転でやめてない?」
「あー、それね。私回れんのんよーこう、回ると・・・」
相生が二回転しようと回るが、
一回転半でふらふらになる。
「おいおい大丈夫か?」
「う、うん大丈夫!へへへっ」
そういって相生は倒れこんだ。
「うわーだっせー」
俺は不意に倒れている相生に手を差し伸べていた。
「うー恥ずかしー」
相生が顔を真っ赤にして笑っている。
その顔を見た瞬間か、相生が俺の手を取った瞬間か
わからなかったが、胸から何かがこみ上げてくる感じがした。
「どうしたん?」
「いや、何もない」
一緒にいて楽しくて、
見てるだけで幸せで、
近くにいると胸が痛い。
俺は、気づいた。
俺は、相生真希のことが好きだ。