私のちょっとだけ好きな9文字の人
「君が京介くんかー。私が担任の猿渡 由美(さわたり ゆみ)です。由美先生って呼んでね」
担任の由美先生。
かなり若い先生で、雰囲気が何となく
幼稚園の先生って感じだ。
「ほら、京介。挨拶」
「藤原京介です。よろしくお願いします」
「はーい。よろしくお願いします。それじゃ、教室にいこっか」
お母さんは、由美先生に「よろしくお願いします」と言って帰っていく。
スリッパのパタパタって音を廊下に響かせながら。
ぼくはそのまま、由美先生に連れられて「2-3」と書かれた教室の前まで来た。
2-3のみんなはぼくが転校してくることをすでに知っているみたいで、
廊下側の窓から顔を出してる何人かと目が合った。
「お、転校生や!」
「うわっ!すっげー!」
お祭り騒ぎみたいだ。