私のちょっとだけ好きな9文字の人
そうこうしているうちに、
みんな給食を食べ終わっていく。
俺は慌ててゆかりごはんを牛乳で流し込んでいると、
おぼんを持った琴吹がやってきた。
「京介くん、この昼休み、時間ある?」
琴吹が俺の耳元でささやく。
俺は口にゆかりごはんを含んだまま
頷いた。
「なら、ちょっと裏庭に来てくれん?」
裏庭はプールの横にあって
古い池がある以外は何もない。
もちろん、立ち入る人も少ない。
大体予想できた。
大島のことで相談だろう。
そういえば協力するって言って
何もしてなかった。
俺は、「わかった」と答える代わりに
親指をぐっと立てた。
それにしても、ゆかりごはんと牛乳って合わないな。