私のちょっとだけ好きな9文字の人




俺たちは広いテニスコートの中で
隣同士で腰を下ろした。




今頃、学校の方では、掃除場所にいない俺たちを探してる頃だろう。




「ここ、私たちが卒業したら通うかもしれん中学校だよね」




西田が目の前の校舎を指差しながら言った。




この辺には中学校が二つある。
一つは、この東条中学校。
そして、学校のすぐ隣のところに
中高一貫の南条学園がある。




つまり、受験をしない人は
自動的にこの東条中学校に通うことになる。
俺もそのつもりだ。




「怒られんかね?」




少し心配になった。




「大丈夫よ!どうせ通うことになるんやろうし、見学よ、見学!」




西田はいつもの笑顔でそう言った。




「ごめん。学校抜け出して」




俺は謝ったが西田は




「大丈夫!何とかなるっしょ!」




気にもしていないようだった。









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