兄貴がミカエルになるとき
「ここで本読んでごはん食べて昼寝したら気持ちがよさそう。あっという間に一日が過ぎていくね」

「カメハメハ王家の人々が羨ましい」

「カメハメハ?」

「ここはカメハメハ王家の所有地だったそうだ。いいな、こんな所有地があったらモンモンも喜ぶな」

「多摩川でも十分楽しそうだよ」

「まあな、確かに別にハワイじゃなくてもいいな。あいつは海より川が好きだし」

トオ兄はモンモンのことについては素直で常に真剣だ。

モンキーポッドの木を見て感動した後は、パイナップル畑を見にドール・プランテーションに向かった。

マスクメロンよりさくらんぼより白桃より、パイナップルが好きだ。

味はもちろん、見た目も香りも大好きだ。だからパイナップルがどんな風になっているのか一度見て見たかったのだ。

想像をはるかに超えた膨大な敷地にパイナップルが顔を出していた。

すごい、すごすぎる。

口には出さなかったけど、パイナップルって身の部分は土に埋まっているのかと思っていた。

なるほど、だからパイナップルの実には土がまったくついていなのか。

「トオ兄、感激だ。すっごい感激」

「俺はパイナップル畑を見てそんなに感激する女子高生に感激だ」

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