兄貴がミカエルになるとき
インターネットの口コミサイトに書かれていた通り、観光客がこぞって日本では見たこともないような大きなソフトクリームを握りしめ、顔をべたべたにしながらなめている。
「俺らも食おう。じゃんけんで負けた方が奢りだ」
いいよ、と承諾しないうちに「じゃんけん!」と腕を振るのでつられて「パー!」と手のひらを出してしまった。
「やった、俺の勝ちだ」
正面でチョキを出した手をピースサインに変えてトオ兄がニッと笑う。
「ずるいよ。いいなんて言ってないのに」
「負けは負けだ。特大ソフトよろしく」
私はしぶしぶカバンから財布を取り出し中身をのぞく。
「35ドルしかないのに」と恨めし気にトオ兄を見ると、「しょうがない。じゃ、普通のソフトでいいよ」と、最低限の譲歩をしてくれた。
「俺らも食おう。じゃんけんで負けた方が奢りだ」
いいよ、と承諾しないうちに「じゃんけん!」と腕を振るのでつられて「パー!」と手のひらを出してしまった。
「やった、俺の勝ちだ」
正面でチョキを出した手をピースサインに変えてトオ兄がニッと笑う。
「ずるいよ。いいなんて言ってないのに」
「負けは負けだ。特大ソフトよろしく」
私はしぶしぶカバンから財布を取り出し中身をのぞく。
「35ドルしかないのに」と恨めし気にトオ兄を見ると、「しょうがない。じゃ、普通のソフトでいいよ」と、最低限の譲歩をしてくれた。